CRMの導入はシンプルにすべき3つの理由
CRMの設計・導入はシンプルにすべきです。項目が多いと入力が手間で現場が動かず、基本設計だけで数ヶ月かかり、その間もアカウント費用が発生するためです。営業5人以下なら1ヶ月以内の導入を目安に、まず必須項目だけで始め、3ヶ月運用して入力率95%を超えてから項目を増やす進め方を解説します。
CRMの設計・導入は、シンプルにすべきです。 弊社トライエッジがCRMの設計・導入を行う際に大切にしている「3つのS」のうちの一つが、Simple(シンプル)です。
理由は3つあります。 項目が多いと入力が手間で現場の運用が進まないこと、やりたいことを詰め込むと基本設計だけで数ヶ月かかること、そして準備している間もアカウント費用が発生することです。
ここでは、その3つの理由と、あとから項目を増やすときの判断基準をお話しします。
なぜ複雑な設計だと使われないのか
これまでExcelなどで“ややアナログな作業”をしていた会社が、いきなり“CRMを入れて業務改革”をしようとすると、「これまでやりたかったこと」がすべて実現できるかのような錯覚に陥ってしまうことがあります。
その結果、必要以上に複雑怪奇な設計になったり、項目数が増えたりしてしまいがち。
その状態で実際に運用を始めると、入力が手間で現場の運用がなかなか進まない、などのケースが往々にして見られます。
「シンプルであること」は、すなわち「使いやすいこと」。
入れるべき項目・報告すべき項目は、本当にこれだけ必要なのか。**「絶対に必要なもの」「あれば良いもの」「なくても良いもの」**といった形でしっかり区分けをして、複雑さを取り除いた構成にすることをおすすめします。
弊社がCRMの設計をする際には、メイン業務で使う項目以外はメニューからも消してしまいます。 使わないメニューがシステム上に存在するだけで、ユーザーに複雑な印象を与えてしまうからです。
なぜ準備に時間をかけてはいけないのか
「CRMでできること」は意外と幅広いため、やりたいことすべてを実現しようとしても技術的には可能なケースが多いです。
「顧客の細かな情報を広く収集し、属性ごとにきめ細やかな営業を行えたら生産性が上がる」と妄想する方もいるかもしれません。
しかし、やりたいことを一気にCRMで実現しようとすると、どうしても時間がかかります。大掛かりにしてしまったがために、基本設計を構築するだけで数ヶ月を要した、なんて話もよく耳にします。
CRMの導入は、ビジネス上のタイミングも重要です。
マーケティング担当者がいち早くCRMの重要性に気付いていても、その後経営陣を説得し、稟議が通り、1年後に導入が決まる、みたいなケースもよくある話です。
「鉄は熱いうちに打て」ではないですが、CRMを活用する機運が高まったら、時間をかけずに導入することが非常に重要です。 導入までもたもたしていると、「別に今やらなくてもいいのではないか」「今のやり方で業務は回っているし、変える必要はないのではないか」といった意見が出てきて、最悪の場合CRMの導入自体が白紙になるケースすらあります。
たとえば営業チーム5人以下の小規模のチームであれば、1ヶ月以内で導入することを念頭に準備をするべきです。
そのためには、できるだけ基本設計はシンプルにしておき、時間をかけずに一気に導入まで持っていく必要があるのです。工程ごとに何を決めるかはCRM導入の流れ:7つの手順と、実際に止まる2つの工程にまとめています。
準備が長引くと、なぜ費用が無駄になるのか
CRMを導入する際には、アカウントを複数購入し初期設計を行っていくケースが一般的かと思います。CRMのアカウント費用は月額・年額などいろいろありますが、契約前に無料で試用できる期間が設けられていることが多いです。
弊社が扱っているZoho CRMの場合、試用期間は15日間です。試用期間や料金の条件は変わることがあるため、検討時は公式サイトで最新の情報をご確認ください。
これは裏を返すと、試用期間を過ぎればお金がかかるということです。
なるべく早く導入を行うべき、と前の章でお伝えしたのは、これも理由の一つです。
よく「CRMを入れたが、準備に手間がかかり半年経っても運用に乗っていない」という話を聞きますが、これはその間アカウント費用を無駄にしてしまっていることに他なりません。
CRMは情報が蓄積され、それらの情報が営業・マーケティング部門に整理・共有され、次の施策に活かされてこそ意味があるものです。
お金をかけて新しいシステムを導入するなら、意味のあるものにしたいですよね。この無料で試せる期間に、基本設計・テスト運用まで行うことが、ある意味理想といえます。そうなると、そもそも複雑な設計になどできないわけで、「シンプルな設計にして、すぐにテスト運用」に持ち込むことが重要です。
Zoho CRMを選ぶ場合の考え方はZoho CRMの料金と機能:認定パートナーが解説する4プランの選び方、弊社のZohoでのご支援内容はZoho導入支援をご覧ください。
項目はいつ増やせばよいのか
シンプルな構造でまずは導入を行い、営業部門・マーケティング部門双方が慣れてきたら、徐々に入力できる項目などを増やして顧客の情報を増やしていく、というのが一番スムーズに運用をスタートするコツだと言えます。
運用をスタートした後に、シンプルな項目にしたのに入力がされない場合は、まずその問題を徹底的に洗い出し、解決してから情報量を増やしていきましょう。
あくまで目安ですが、3ヶ月程度運用を行い、入力すべき項目が95%以上入力されるようになってから項目を増やしていく、というようなステップがおすすめです。
なお、シンプルにしても導入直後は必ず現場から反発が出ます。その向き合い方はCRM導入の成功に必要な、たった一つのことでお話ししています。
CRMの導入は、とにかくシンプルに。迷ったらこの基本に立ち戻るようにしましょう。
FAQよくあるご質問
Q. CRMの設計をシンプルにすべき理由は何ですか?
3つあります。1つ目は、項目が多いと入力が手間になり現場の運用が進まないこと。2つ目は、やりたいことを一気に実現しようとすると基本設計だけで数ヶ月かかり、導入の機運が冷めてしまうこと。3つ目は、準備している間もアカウント費用が発生し、使っていない期間の費用が無駄になることです。
Q. 項目を絞るときの基準はありますか?
「絶対に必要なもの」「あれば良いもの」「なくても良いもの」の3つに区分し、最初は1つ目だけを残します。弊社がCRMの設計をする際には、メイン業務で使う項目以外はメニューからも消してしまいます。使わないメニューがシステム上に存在するだけで、ユーザーに複雑な印象を与えてしまうためです。
Q. CRMの導入には、どのくらいの期間をかけるべきですか?
営業チームが5人以下の小規模なチームであれば、1ヶ月以内で導入することを念頭に準備してください。導入までもたついていると、今やらなくてもいいのではないか、今のやり方で業務は回っている、といった意見が出てきて、最悪の場合は導入自体が白紙になります。そのためには基本設計をできるだけシンプルにしておく必要があります。
Q. 入力項目は、いつ増やせばよいですか?
3ヶ月程度運用を行い、入力すべき項目が95%以上入力されるようになってからが目安です。シンプルな項目にしたのに入力がされない場合は、まずその問題を徹底的に洗い出し、解決してから情報量を増やしてください。順番を逆にすると、入力されない項目だけが増えていきます。
Q. 無料の試用期間中に、どこまで進めておくべきですか?
基本設計とテスト運用までを終えるのが理想です。試用期間の長さは製品によって異なり、弊社が扱っているZoho CRMの場合は15日間です(最新の条件は公式サイトでご確認ください)。この期間で終わらせようとすると、そもそも複雑な設計にはできないため、結果としてシンプルな構成に落ち着きます。
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出典・執筆:株式会社トライエッジ/森本 貴行(CRM/営業戦略)。 2024年4月8日公開/2026年8月14日更新。