展示会のフォローは電話かメールか:使い分けの判断基準
展示会後のフォローは、電話とメールを相手ごとに使い分けます。電話は訴求力が高い一方で人員が要り、名刺交換を覚えていない相手には話が進みません。メールは一度に送れて記録も残る反面、結果が出るまで時間がかかります。それぞれが向く相手の条件と、両方を併用するときの順番・分担を整理します。
展示会後のフォローは、電話とメールを相手ごとに使い分けます。 どちらが優れているかではなく、相手の状態によって効く手段が違うためです。
電話が向くのは、ブースで具体的な課題や導入時期に言及した相手です。訴求力が高く、その場で商談の日程まで決められます。メールが向くのは、話は聞いたが時期が未定の相手と、資料だけ受け取った相手です。展示会で集まる名刺の大半はこちらに該当します。
そして併用する場合、順番はメールが先です。
なぜフォローが必要なのか
展示会で自社に興味を持ってもらえても、来場者の側から連絡が来ることはほとんどありません。 商談化するには、企業側からアクションを起こす必要があります。
来場者は複数のブースを回り、多くの企業と名刺を交換しています。放置すれば、興味を持ってくれた相手はそのまま競合に流れます。
そして展示会で得られる名刺の大半は情報収集の段階にあります。一度の連絡で商談になる相手は少数で、中長期の接触を前提に設計する必要があります。
電話が向くのはどんな相手か
電話の利点は訴求力です。
現在の検討状況や抱えている課題を直接聞けるため、今後どんな情報を出すべきかがその場で分かります。 関心が高い相手にはデモや商談を提案し、次の日程まで決められるため、時間のずれが生じません。
一方で、難易度は高くなります。
展示会では資料を渡しただけで詳しい話ができていない来場者が大半です。電話をかけた相手が名刺交換したこと自体を覚えておらず、説明を一から始めることになるケースが頻繁に起きます。
また、名刺の件数が多い場合、すべてに電話をかけるには相応の人員が必要です。人員が足りなければ、かけきれない分のフォローが後回しになります。
電話が向くのは、次の条件が揃っている場合です。
- ブースで会話が成立し、課題や導入時期に言及があった
- ブースでの会話内容と関心度が記録されている
- 電話をかける担当者が確保できている
- すぐ商談にならなかった場合に渡せるもの(デモ、セミナー、資料)が用意されている
2つ目が欠けていると、電話は成立しません。 ブースで優先順位を付けておくことが前提条件になります。架電側の体制の作り方はインサイドセールスにまとめています。
メールが向くのはどんな相手か
メールの利点は、一度に多数へ届けられることです。
文面を事前に用意しておけば会期直後から送れます。担当者ごとに内容が変わることもなく、品質が一定に保たれます。製品カタログやページへのリンクを添えられるため、電話では伝えきれない量の情報を渡せます。
相手の時間を拘束しないため、繰り返し送っても関係が壊れにくいことも利点です。情報が不要な相手には配信解除という選択肢を用意しておけば、印象を損なわずに対象から外れてもらえます。
一方で、結果が出るまでには時間がかかります。
電話であれば疑問にその場で答え、商談の打診まで一度で進められますが、メールは一方通行になりやすく、行動を促す力は弱くなります。継続的な情報提供を前提に設計する必要があります。
メールが向くのは、次のような場合です。
- すぐに製品を必要としていない相手に、情報を渡して関心を高めたい
- 名刺の件数が多く、電話をかける人員を確保できない
- 会期直後に、時間のずれなく全員へ接触したい
併用するときの順番
メールを先に送り、そのあとで電話をかけてください。
| 順番 | タイミング | 対象 | 手段 |
|---|---|---|---|
| 1 | 閉会後1〜2営業日 | 名刺を交換した全員 | お礼メール |
| 2 | メール送信後 | ブースで関心が高かった相手 | 電話 |
| 3 | 1週間後以降 | メールに反応があった相手 | 電話 |
| 4 | 継続 | 反応がない相手 | 定期的なメール配信 |
先にメールを送っておくと、電話の冒頭で会社名と会った場面を思い出してもらいやすくなります。 電話が進まない最大の原因が思い出せないことなので、この順番だけで通話の質が変わります。
3の「反応があった相手」に電話をかけるのが、人員が限られている場合に最も効率のよい形です。 誰に電話をかけるかを、感覚ではなく開封とクリックで決められます。

オンライン展示会で獲得したリードの場合、事前登録の情報や視聴したコンテンツからセグメントを分けられるため、メールでの出し分けがより細かくできます。管理の方法はオンライン展示会で獲得したリストの管理方法にまとめています。
メールを続けると何が残るか
CRMやMAツールからメールを配信すると、開封とリンクのクリックが個別に記録されます。
- どのテーマのメールを開いたか
- どのページのリンクを押したか
- 資料をダウンロードしたか
この履歴が顧客情報にひもづいて残るため、関心の対象と検討の進み方が見えます。 電話をかける相手を反応の有無で選べるようになり、限られた人員をどこに使うかの判断が感覚に頼らなくなります。
さらに、条件を満たしたときに自動でメールを送る設定にしておけば、サイトを訪問したタイミングでフォローの連絡を出すといった動きも作れます。

名刺をどう記録し、どの項目を残すかは商談化のカギは顧客データの管理で扱っています。
よくある失敗
1. 電話だけで全件を追う
名刺の件数が多いと、後半の相手への連絡が2週間後、3週間後になります。遅れた分だけ、思い出してもらえる確率が下がります。 全員への接触はメールで先に済ませてください。
2. メールだけで完結させる
関心が高い相手にまでメールしか送っていないと、競合に先に商談を取られます。上位の相手には、メールに加えて電話をかけてください。
3. 反応を見ずに送り続ける
開封もクリックも記録していない状態では、次に誰へ連絡すべきかが分かりません。配信の結果が顧客情報に戻る設計になっているかを、送る前に確認してください。 設計上の注意点はCRMとメール配信の連携にまとめています。
まとめ
電話は訴求力が高い一方で、人員が必要で、覚えていない相手には通用しません。メールは一度に多数へ届き記録も残りますが、結果が出るまで時間がかかります。
分ける基準は相手の状態です。ブースで課題や時期に言及した相手には電話、それ以外にはメール。件数としてはメールが中心になります。
併用するなら順番はメールが先です。そのうえで、反応が返った相手に電話をかけると、限られた人員を最も効果的に使えます。
名刺の振り分け方と担当の決め方は展示会のアフターフォロー、メールの通数と文面は展示会後のステップメールで扱っています。
株式会社トライエッジでは、HubSpotやZoho CRMを用いたSFA/CRM/MAの導入・運用支援を行っています。詳しくはCRM構築・運用をご覧ください。ご相談はお問い合わせから承ります。
FAQよくあるご質問
Q. 展示会後のフォローは電話とメールのどちらがよいですか?
相手の状態で分けます。判定の条件は、ブースでの会話に導入時期や具体的な課題が出たかどうかです。出た相手には電話、話は聞いたが時期が未定の相手や資料だけ受け取った相手にはメールが向きます。展示会で獲得する名刺の大半は後者にあたるため、件数としてはメールが中心になり、電話は上位の一部に絞る形が現実的です。
Q. 展示会後の電話フォローが進まないのはなぜですか?
相手が名刺交換したこと自体を覚えていないためです。展示会では資料を渡しただけで詳しい話ができていない来場者が大半を占めます。この状態で電話をかけても、説明を一から始めることになり話が進みません。電話を有効にする条件は、ブースで会話の内容と関心度を記録し、優先順位をその場で付けておくことです。
Q. メールでのフォローにはどんな弱点がありますか?
結果が出るまでに時間がかかることです。電話であれば疑問にその場で答え、商談の打診まで一度で進められますが、メールは一方通行になりやすく、相手に行動を促す力は弱くなります。継続的な情報提供を前提に設計し、1通で判断せず、反応が返るまで送り続ける必要があります。
Q. 電話とメールを併用する場合、どちらを先にすべきですか?
メールを先に送ってから電話をかけてください。順番は、閉会後1〜2営業日でお礼メールを全員に送り、その中で反応があった相手と、ブースで関心が高かった相手に電話をかけます。先にメールを送っておくと、電話の冒頭で会社名と会った場面を思い出してもらいやすくなり、話が進みます。
Q. メールでのフォローを続けると何が蓄積されますか?
個別の反応が3種類残ります。開封、クリック、資料のダウンロードです。どのテーマのメールを開いたか、どのページのリンクを押したかが顧客情報にひもづくため、関心の対象と検討の進み方が見えます。この履歴があると、電話をかける相手を反応の有無で選べるようになり、限られた人員をどこに使うかの判断が感覚に頼らなくなります。
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出典・執筆:株式会社トライエッジ/中野 三四郎(代表取締役CEO)。 2024年4月8日公開/2026年8月14日更新。