お知らせ会社情報採用情報 English
HOME MEDIA CRM / SFA 2024年4月8日

MAやSFAに投資する意味はあるのか

MAとSFAへの投資は、売上を増やす前に取りこぼしを減らす形で回収されます。MAは送信漏れと重複をなくし配信結果を数字にし、SFAは案件の停滞を見えるようにします。回収できるかを判断するための費用の並べ方、いきなり両方入れずに片方から始める順番、稟議で聞かれる論点まで整理します。

MAとSFAへの投資は回収できます。ただし回収の出方には順番があり、先に効くのは「売上が増える」ではなく「取りこぼしが減る」ほうです。

MAは送信漏れと重複をなくし、配信の結果を数字として残します。SFAは案件がどこで止まっているかを見えるようにします。どちらも、いま失っているものを止める効果が先に立ち、売上の増加はそのあとに来ます。

そのため、稟議で説明するときも、検証に時間がかかる売上増ではなく、数ヶ月で確認できる取りこぼしの減少を根拠に置くほうが通りやすくなります。

MAとSFAは何が違いますか?

MA(Marketing Automation)は、顧客に最適化された情報提供と、その実行プロセスの自動化を担うツールです。メルマガ、Web広告の成果、Webサイトの訪問状況といった顧客動向を管理し、アプローチを自動で実行します。

SFA(Sales Force Automation)は、営業活動の効率化と顧客との関係構築に焦点を当てたツールです。顧客情報を一元管理することで、過去の履歴や状況に基づいた提案ができるようになります。

この2つをつなぐと、新規リードの獲得から営業のフォローまでが一本の流れになります。 マーケティングが集めたリードが、情報を欠いたまま営業へ渡る、という断絶がなくなるためです。

投資対効果はどうやって並べますか?

回収できるかを判断するには、費用と効果を同じ粒度で並べる必要があります。並べる項目は次の6つです。

費用側の3つ

  1. ライセンス費(利用者数や登録件数で変わります)
  2. 初期構築費(設定、データ移行、既存システムとの接続)
  3. 運用にかかる人の時間(毎月、誰が何時間使うか)

効果側の3つ

  1. 減った作業時間(配信作業、集計作業、報告資料の作成)
  2. 取りこぼしが減った件数(送信漏れ、二重連絡、放置された案件)
  3. そこから生まれた商談の件数と金額

よくある失敗は、費用側にライセンス費しか置かないことです。 実際にはツールを運用する人の時間が毎月かかります。ここを見込んでいないと、導入後に「思ったより手がかかる」となり、稟議で示した数字と実態がずれます。

金額や提供プランは各社で改定されるため、比較する際は必ず各ベンダーの公式サイトで最新の条件を確認してください。

MAはどこでROIに効きますか?

作業のミスと工数が減る

人が作業を行うと、どうしてもミスが発生しますし、時間もかかります。特定の顧客にお礼メールを送るといった処理を自動化すれば、送信漏れがなくなり、同じ顧客に複数のメールを送ってしまうミスも起きません。

この効果は導入直後から出ます。 月に何通を手作業で送っていたか、その作業に何時間かけていたかを事前に記録しておくと、そのまま効果の根拠になります。

施策の結果が数字で残る

MAは施策の成果を可視化できます。何件のメールを送り、どの程度開封されているのか。次の施策を考えるうえで基本になる情報を、すぐに確認できます。

効果測定ができれば、成功要因と失敗要因が把握でき、戦略の修正に役立つ情報が蓄積されていきます。逆に言えば、手作業の一斉配信を続けている限り、この記録は残りません。 施策を評価する材料がないまま次の施策を決めることになります。

送る内容を相手に合わせられる

全顧客へ一斉に送るメールよりも、業種や地域といった属性、あるいは抱えている課題に近い情報を送るほうが、受け手にとって有効な情報になります。

MAはこのパーソナライズされたアプローチができるツールです。顧客の行動分析とターゲティングに基づいて情報を出し分けることで、顧客との関係が強くなり、長期的な取引につながります。

SFAはどこでROIに効きますか?

営業プロセスの無駄が減る

SFAには顧客管理、商談管理、営業活動管理といった機能があります。顧客情報を一元化し、商談の進捗を可視化することで、リード獲得から受注までのプロセスが整理され、効率的に進められるようになります。

営業活動で発生するタスクの通知を自動化できるため、抜け漏れを防げます。営業担当者は、提案そのものに時間を使えるようになります。

注力すべき相手が決まる

SFAを使えば、どの顧客に注力すべきかを明確にできます。たとえば興味関心の度合いを数値化するリードスコアリングを活用すると、点数の高いリードから優先的に営業活動を行えます。

埋もれていた質の高いリードが、組織全体で優先的に扱われるようになるため、成約率の改善が見込めます。少ない人数でも効果的な営業活動を展開できるようになり、結果としてROIが上がります。

情報が個人の手元から出る

顧客データを集める基盤がないと、顧客情報は各種帳票に点在したり、個人が持つ名刺のメモに依存したりします。SFAで一元管理することで、過去の対応履歴や状況に合わせた対応ができるようになり、成約率にも効いてきます。

どの順番で導入しますか?

初めて導入する際は、まずいずれか一方から入れてください。判断の基準は「いま取りこぼしが多いのはどちらか」です。

  • リードは集まっているのに追いきれていない → MAから
  • 商談の進捗が読めず、売上予測が立たない → SFAから

導入の初期段階では、目標設定が重要になります。何を解決したいのかを先に洗い出しておかないと、機能の設定だけが進んで運用が決まりません。

そして、導入当初から複雑な機能を盛り込まず、リリースに最低限必要な機能に絞って基盤を作り、それ以外はリリース後に徐々に追加していく進め方をおすすめします。

作り込みすぎると、導入に時間がかかるだけでなく、運用担当者から使いにくいという声が出て、構築したものが現場で使われない状態になりかねません。段階的に導入すれば、このリスクを抑えられます。

両方そろえるとどうなりますか?

MAとSFAは片方だけでも導入できますが、組み合わせると顧客データが統合され、相乗効果が出ます。

MA側はSFAで得られた受注実績をもとにターゲティングでき、より的確な情報を届けられます。SFA側はMAで得られた顧客の興味関心をふまえた提案ができるため、成約率が上がります。

この効果は、片方が定着してから2本目を入れても同じように得られます。 同時導入が条件ではありません。

よくある失敗

1. 効果を売上だけで測る

売上は他の要因が多く混ざるため、ツールの効果を切り出せません。まず作業時間と取りこぼし件数で測り、売上はその先の指標として置いてください。

2. 運用する人を決めずに契約する

毎月手を動かす担当が決まっていないと、設定した仕組みが更新されず古くなります。誰が何時間使うかを、費用として先に見積もってください。

3. 機能の多さで選ぶ

使わない機能は費用にしかなりません。解決したい課題を先に決め、その課題に効く機能があるかで判断してください。

4. 導入初期に作り込みすぎる

最初から複雑な分岐や大量の項目を用意すると、公開が遅れ、現場から使いにくいという反応が返ります。最小構成で動かし、運用しながら足すほうが早く回ります。

5. 導入をゴールにする

システムが入った時点では、まだ何も変わっていません。入力と配信が続き、その結果を見て次を決める状態になって初めて投資が回収され始めます。

まとめ

MAとSFAへの投資は、取りこぼしの減少という形で先に回収され、売上の増加はそのあとに来ます。判断するときは、ライセンス費・初期構築費・運用の時間という費用側3項目と、減った作業時間・取りこぼし件数・生まれた商談という効果側3項目を並べてください。

導入は片方から始め、取りこぼしが多いほうを先に選びます。最小構成で動かしてから広げるほうが、結果的に早く定着します。

自社の商材にMAが向くかどうかの判断はMAは自社に必要か、製品を比較する軸はMAツールの比較のしかた、獲得後のリードを育てる手法はリードナーチャリングとはで扱っています。CRMとの違いと導入順はCRMとMAの違いをご覧ください。

当社はHubSpotとZohoを用いたSFA / CRM / MAの導入・運用支援を行っています。導入後の運用から成果につながるまでを支援する伴走型のサポートです。支援内容はCRM導入・運用支援、ご相談はお問い合わせより承ります。

FAQよくあるご質問

Q. MAやSFAへの投資は回収できますか?

回収の出方は2段階です。先に効くのは取りこぼしの減少で、送信漏れ・二重連絡・案件の放置がなくなる分です。売上の増加はそのあとに来ます。稟議では先に来るほうを根拠に置いたほうが、検証できる期間が短くて済みます。

Q. 投資対効果はどうやって並べればよいですか?

費用側はライセンス費・初期構築費・運用にかかる人の時間の3つ、効果側は減った作業時間・取りこぼしが減った件数・そこから生まれた商談の3つで並べます。ライセンス費だけを費用に置くと、運用工数が抜けて実態と合わなくなります。

Q. MAは具体的に何が変わりますか?

お礼メールのような定型のやり取りが自動化され、送信漏れと重複がなくなります。あわせて配信数や開封の状況が数字で残るため、次に何を送るかを勘ではなくデータで決められます。導入前に、月に何通を手作業で送り何時間かけていたかを記録しておくと、その差がそのまま効果の根拠になります。

Q. SFAは具体的に何が変わりますか?

顧客情報が1か所に集まり、誰がどの案件をどこまで進めているかが見えます。案件の停滞に早く気づけるようになり、担当者が変わったときの引き継ぎも短くなります。効果が出る条件は、入力が営業会議で必ず使われることです。

Q. 最初から両方そろえたほうがよいですか?

片方から始めてください。順番の決め方は単純で、取りこぼしが多いほうから入れます。リードは集まっているのに追いきれていないならMA、商談の進捗が読めないならSFAです。両方を同時に入れると、設定も運用ルールも決めきれずに止まります。

出典・執筆:株式会社トライエッジ/森本 貴行(CRM/営業戦略)。 2024年4月8日公開/2026年8月15日更新。

無料AEO診断 御社のサイトがAI検索でどう見えているか、8観点・10点満点でスコア化します。 申し込む