記念日マーケティングとは?ポッキーの日などの事例と成功の3条件
記念日マーケティングは、特定の日に商品を結びつけてブランディングする手法です。ポッキーの日やバレンタインのように定着すると大きな効果を生みます。グリコ・明治・集英社の3つの事例から記念日の作り方と成功の3条件を整理し、BtoBで応用する場合に何を目的と指標に置くべきかまで解説します。
記念日マーケティングとは、特定の日に商品やサービスを結びつけてブランディングする施策です。 「◯月◯日=〜の日」という認識が定着すると、毎年その日に話題が生まれ、売上のピークを自社で作れるようになります。
ただし、記念日を制定するだけでは定着しません。 成功している事例に共通しているのは、その日に「何を提供するか」まで設計していることです。
この記事では、代表的な事例から成功の条件を整理し、BtoBで応用する場合の考え方まで扱います。
バレンタインが示す影響力の大きさ

最も成功した事例がバレンタインデーです。
チョコレートを渡す習慣は製菓メーカーが広めたものと言われていますが、日本ほど大きなイベントとして扱う国はありません。製菓業界がプロモーションを行い、商品と2月14日限定の特別な体験をセットで提案したことで、現在の市場規模まで成長しました。
さらに、女性から男性へという形が定着したあとも、友チョコ(女性同士)や強敵チョコ(男性同士)のように水平展開が進んでいます。一度定着すると、そこから派生させられるという点も特徴です。
ここから、記念日マーケティングの本質が見えます。特定の日に商品を関連づけたブランディングです。「この日に特別な体験や価値観、連帯感を得ましょう」と提案する構造になっています。
3つの事例と、記念日の作り方
記念日の作り方は、大きく3通りあります。
1. 数字の語呂合わせ:ポッキー&プリッツの日(江崎グリコ)

11月11日の数字の並びから、商品の形状を連想させたのがポッキーの日です。「平成11年11月11日」と1が6個並ぶ日にスタートし、注目を集めました。
以降もCM、店頭プロモーション、SNSとの連携を続け、毎年11月11日に話題が上がる状態を維持しています。 結果として、毎年この時期に売上のピークが生まれています。
安価で手に入りやすい商材と記念日マーケティングの相性の良さが分かる例です。
2. 既存の記念日への便乗:きのこの山の日(明治)

山の日が祝日に制定されたタイミングに合わせ、「きのこの山」の記念日として展開した例です。祝日である点を活かし、東京タワーでのリアルイベントなどを実施しています。
記念日マーケティングというと語呂合わせを探しがちですが、既存の記念日に便乗するほうが早く認知される場合があります。すでに世の中に定着している日を使えるためです。
3. 自社の節目の活用:ONE PIECEの日(集英社)

出典:https://sp.shonenjump.com/j/op-20th-anniv/
連載開始から20周年を機に、7月22日をONE PIECEの日として日本記念日協会に申請した例です。各種イベントの開催と関連商品の販売を行いました。
長く続いている商材の周年は、記念日を作る理由として説明しやすいという利点があります。ブランドの再編と合わせて実施するのも一つの形です。
成功の3条件
3つの事例に共通しているのは、次の点です。
1. 既存の商品を活かしている
新商品を作るのではなく、すでにある商品に「その日に買う理由」を足しています。新規開発を伴わないため、費用対効果が高くなります。
2. その日に何を提供するかまで設計している
単に「この日が記念日です」と打ち立てるのではなく、体験や話題性をセットにしています。マーケティングの原則どおり、ベネフィットが無ければ定着しません。
3. 毎年続けている
一度で定着した記念日はありません。ポッキーの日も、毎年の施策の積み重ねで現在の位置にあります。初年度の反応が小さくても、続けられる設計になっているかが問われます。
紹介した事例は大規模なCMも行っていますが、現在はSNSやWebでの拡散も見込めます。最初はセールやユーザーミーティングの実施だけでも、新商品の紹介や新規顧客の獲得につながります。
BtoBで応用する場合
ここまではBtoCの事例です。BtoBで同じ形をそのまま持ち込むと機能しません。 検討期間が長く、当日の話題が受注に直結しないためです。
目的を「売上」から「接点」に変えると成立します。
- 自社の周年に合わせて、調査レポートや事例集を公開する
- 業界の記念日に合わせてセミナーを開催する
- ユーザー会を毎年同じ時期に開催し、既存顧客との接点を作る
指標も変わります。当日の売上ではなく、リードの獲得数、既存顧客の参加率、その後の商談化数で見ます。
BtoBで効くのは「毎年その時期にやっている」という予測可能性です。 相手が「そろそろあの会社のレポートが出る頃だ」と認識する状態になると、こちらから接触しなくても情報を取りに来てもらえます。
獲得したリードをどう扱うかは展示会後のステップメール、効果の測り方は展示会のKPI設定の考え方が流用できます。
まとめ
記念日マーケティングは、特定の日に商品を結びつけるブランディング施策です。定着すればバレンタインのように大きな効果を生みますが、記念日を制定しただけでは何も起きません。
決めるべきは3つです。どの日にするか(語呂合わせ・既存の記念日・自社の節目)、その日に何を提供するか、そして毎年続けられる形になっているか。
BtoBの場合は、売上ではなく接点づくりを目的に置き、リード獲得数で評価してください。
トライエッジでは、CRMの導入支援だけでなくマーケティングの支援も行っています。企業ごとの目的に合わせた施策の設計から実行までをご一緒します。詳しくはCRM構築・運用をご覧ください。ご相談はお問い合わせから承ります。
FAQよくあるご質問
Q. 記念日マーケティングとは何ですか?
特定の日に商品やサービスを結びつけて、その日に特別な体験や価値を提供する施策です。「◯月◯日=〜の日」というブランディングを行い、毎年その日に話題が生まれる状態をつくります。バレンタインデーやポッキーの日が代表例で、定着すると毎年の売上のピークを自社で作れるようになります。
Q. 記念日はどうやって決めればよいですか?
方法は3つあります。1つ目は数字の語呂合わせ(11月11日とポッキー)。2つ目は既存の記念日への便乗(山の日ときのこの山)。3つ目は自社の節目の活用(連載20周年とONE PIECEの日)です。語呂合わせにこだわる必要はなく、既存の記念日や自社の周年を使うほうが早く定着することもあります。
Q. どんな商材が記念日マーケティングに向いていますか?
単価が安く、どこでも入手できる商材が向いています。話題を見て「買ってみよう」と思った人が、その日のうちに購入まで到達できるためです。逆に、高額で検討期間が長い商材では、当日の話題が売上に直結しにくくなります。BtoB商材の場合は、売上ではなく認知や接点づくりを目的に置くほうが現実的です。
Q. 記念日を制定すれば効果は出ますか?
制定するだけでは定着しません。事例に共通しているのは、その日に「何を提供するか」まで設計している点です。バレンタインは商品とセットで特別な体験を提案し、きのこの山は祝日にリアルイベントを行っています。ベネフィットが無いまま「今日は◯◯の日です」と告知しても、話題になりません。
Q. BtoBでも記念日マーケティングは使えますか?
使えますが、目的を変える必要があります。BtoBは検討期間が長く、当日の告知が受注に直結しません。現実的なのは、自社の周年や業界の記念日に合わせてセミナー・調査レポートの公開・ユーザー会などを行い、既存顧客との接点と見込み客の獲得につなげる使い方です。売上ではなくリード獲得を指標に置きます。
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出典・執筆:株式会社トライエッジ/中野 三四郎(代表取締役CEO)。 2024年3月29日公開/2026年8月14日更新。