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HOME MEDIA 営業・インサイドセールス 2024年4月8日

セミナー後の営業フォロー:アンケートの2軸で4分類する実践例

セミナー後のフォローは、参加者全員に同じ連絡をすると営業リソースが薄く広がります。分けるための2軸は、予算やポテンシャルを表す項目と、類似サービスの利用実績です。この2つをアンケートで取り4分類し、電話・個別メール・一斉配信を割り当てます。営業コンサルティング会社を例に、準備から実践までを整理します。

セミナー後のフォローで最初にやることは、参加者を分けることです。 全員に同じ連絡をすると、受注につながる相手にも、そうでない相手にも、同じ量のリソースがかかります。

分けるための軸は2つです。取引規模を左右する項目と、類似サービスの利用実績。 この2つをセミナー前にアンケートで取っておき、終了後に4つに分類します。

そして、分類ごとに手段を変えます。 電話、個別メール、一斉配信のどれを使うかを、感覚ではなく分類で決めます。

ここでは、営業コンサルティング会社を例に、準備からフォローまでを追います。

今回の例

営業コンサルティング会社A 東京を中心に一都三県で、営業に関するコンサルティングを提供している。 得意としているのは、プレゼンテーションの仕方・作り方についての研修。 今回、「より多くの受注が獲得できるプレゼンテーションの作り方」と題したセミナーを開催し、都内を中心に参加者を集めた。

セミナー前に何を準備するか

準備するのは、ヒアリングすべき項目を明確にすることです。

企業名、住所、電話番号といった基本情報はもちろん必要ですが、それだけでは分類できません。 今後サービスを提案するために知りたい情報を、アンケートの項目として設計します。

必ず入れるのは次の2つです。

1. 予算・ポテンシャルを判定できる項目

営業コンサルティングであれば、そもそも「営業部」が存在するかどうかが起点になります。

そして、3人の営業部と100人の営業部では、顧客になる可能性も、顧客になったときの単価も大きく異なります。 この例では「営業部の人数」を項目として取得します。

自社の商材では何がこれにあたるかを、セミナー前に決めてください。 従業員数、店舗数、取扱品目数など、取引規模を左右する数値が該当します。

2. 類似サービスの利用状況

今回の例では、**「すでに他社の営業コンサルティングを利用しているか」「過去に利用したことがあるか」**です。

サービスそのものへの理解があるかどうかは、提案にかかる工数を左右します。 利用したことがある企業には、価値の説明を省いて自社との違いから話を始められます。利用実績がない企業には、まず何が得られるのかを理解してもらう工程が必要になります。

<事前準備> 参加者アンケートの作成 記入項目:企業名、連絡先、担当者名、営業部の人数、研修サービスの利用有無

参加者を4つに分類する

セミナーが終わったら、取得した情報をもとに参加者を分類します。今回は「営業部の人数」と「類似サービスの利用状況」の2軸です。

類似サービスの利用実績あり類似サービスの利用実績なし
営業部の人数が多い最重要A重要B
営業部の人数が少ない重要C通常D

この4分類に対して、それぞれ別の手段を割り当てます。

分類ごとのフォロー

最重要顧客A(人数が多く、類似サービスの利用実績がある)

サービスへの理解があり、利用となれば大きな取引になる可能性がある層です。 優先して営業活動を行います。

自社のサービス案内に加えて定期的な情報発信を行い、できれば担当者とのアポイントを取得して商談に持ち込みます。

すぐに商談にならなくても、放置しないことが条件です。 定期的な接触を続けてください。

<A社の実践例> ・顧客Aの企業群の担当者全員に電話でフォロー営業 ・商談化しない相手には、営業チームが3ヶ月に1回、定期的に電話でフォロー営業を継続 ・メールやDMでの情報発信 ・メールでは、相手先企業に合わせた事例を個別に紹介

重要顧客B(人数が多いが、類似サービスの利用実績がない)

利用となれば大きな取引になりますが、利用実績がないため最初の獲得のハードルが高い層です。

まず、サービスを利用することで得られるものを理解してもらうことが必要です。 過去の事例、サービスの特長、自社の強みといった情報をメールやDMで定期的に配信し、興味を持ってもらえるタイミングを逃さないようにします。

<A社の実践例> ・顧客Bの企業担当者全員に電話でフォロー営業 ・メールやDMでの情報発信

重要顧客C(人数が少ないが、類似サービスの利用実績がある)

サービスへの理解はあるものの、取引規模としては大きくない層です。

営業部門の工数をかけずにアプローチすることが重要になります。 フォローは行いますが、深追いはしない層として認識してください。

<A社の実践例> ・顧客Cの企業担当者へ個別に挨拶メール ・メールやDMでの情報発信

通常顧客D(人数が少なく、類似サービスの利用実績がない)

今回の条件では、優先順位が最も低い層です。

先方から引き合いの連絡がある場合を除き、こちらからの積極的な営業活動は、営業部門に余裕がある時期以外は避けてください。 定期的なメール配信で接点だけを維持します。

<A社の実践例> ・顧客Dの企業担当者へセミナー参加のお礼メール(一斉配信) ・メールやDMでの情報発信

なぜ分類するのか

営業部門の生産性を上げるとは、言い方を変えれば「攻めるべき顧客を明確にし、その顧客に営業リソースを集中させる」ということです。

分類しなければ、全員に同じ量の労力がかかります。その結果、最重要層への接触が薄くなり、優先度の低い層への架電に時間が消えます。

注意点は、分類を固定しないことです。 組織の規模や体制は変わります。DやCに分類された企業でも、数年後には条件が変わっている可能性があります。定期配信を続けるのは、この変化を拾うためです。

分類の基準そのものをどう決めるかはリードクオリフィケーション、配信への反応を点数にして優先順位を出す方法はスコアリングで扱っています。

よくある失敗

1. アンケートの項目を後から決める

セミナーが終わってから「この情報も取っておけばよかった」となると、取り直しはできません。 分類に使う項目は、アンケートを作る時点で決めてください。

2. 分類したが、担当を決めていない

誰がどの層を担当するかが決まっていないと、結局は営業担当が個人の判断で追いやすい相手から連絡します。 分類と同時に、担当者と実施期限を決めてください。架電側の体制の作り方はインサイドセールスにまとめています。

3. 記録が個人に残る

電話やメールでのフォローは、個々の営業担当に任せると忘れられたり、後回しになったりします。分類の結果と接触の履歴を、全員が見える場所に残してください。 それがないと、3ヶ月後の定期架電も実施されません。

まとめ

セミナー後のフォローは、参加者を分けるところから始まります。軸は、取引規模を左右する項目と、類似サービスの利用実績の2つです。

分類は4つで足ります。両方を満たす層には全員へ架電し、商談化しない相手にも3ヶ月に1回の定期架電を続けます。いずれも満たさない層は、一斉のお礼メールと定期配信のみとします。

そして、分類に使う項目はセミナー前に決めてください。アンケートを作る時点で決まっていなければ、後から取ることはできません。

こうしたフォローの記録と実施をCRMで管理する方法はCRM構築・運用Zoho CRMの基本機能はZoho CRMの基本機能を理解するための動画4選で扱っています。ご相談はお問い合わせから承ります。

FAQよくあるご質問

Q. セミナー前に準備しておくことは何ですか?

ヒアリングすべき項目を決めて、参加者アンケートに落とし込むことです。企業名・連絡先・担当者名といった基本情報に加え、必ず入れるのは2つ。予算やポテンシャルを判定できる項目と、類似サービスの利用状況です。この2つがないと、セミナー後に参加者を分類できず、全員へ同じ連絡をすることになります。

Q. 参加者を分類する2軸は何を使えばよいですか?

1つ目は自社にとっての取引規模を左右する項目です。営業コンサルティングであれば営業部の人数がこれにあたり、3人の組織と100人の組織では受注時の単価が大きく変わります。2つ目は類似サービスの利用実績です。過去に利用したことがある企業は、再度利用する可能性があるため優先度が上がります。

Q. 分類ごとにフォローはどう変えますか?

手段と頻度を変えます。両方の条件を満たす最重要層には全員へ電話をかけ、商談化しない相手にも3ヶ月に1回の定期架電を続けます。規模が大きく実績のない層には電話に加えて事例を継続配信します。規模が小さく実績のある層は個別の挨拶メールまで、いずれも当てはまらない層は一斉のお礼メールと定期配信のみとします。

Q. 類似サービスの利用実績をなぜ確認するのですか?

確認する条件は1つで、サービスそのものへの理解があるかどうかです。これが提案にかかる工数を左右します。利用したことがある企業には、価値の説明を省いて自社との違いから話を始められます。利用実績がない企業には、まずサービスを使うことで何が得られるかを理解してもらう工程が必要で、その分だけ受注までの期間が長くなります。

Q. 優先度が低い参加者は放置してよいのですか?

放置ではなく、手をかけずに接点だけ維持します。具体的には、参加のお礼を一斉メールで送り、以降は定期的なメール配信の対象に含めます。こちらから積極的に架電するのは営業部門に余裕がある時期だけに限定してください。組織の規模や体制は変わるため、数年後に条件が変わっている可能性があります。

出典・執筆:株式会社トライエッジ/伊能 藍子(CRM 導入・運用支援)。 2024年4月8日公開/2026年8月14日更新。

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