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HOME MEDIA CRM / SFA 2024年4月8日

CRMを触る前にやっておくべきこと①営業現場の業務フローの再確認

CRMを導入しても現場で使われないのは、営業担当の1日を分刻みで把握しないまま項目と機能を決めるからです。活動のタイミング・件数・1件あたりの所要時間という3点の押さえ方と、ヒアリングでは足りない理由、訪問件数の多い担当やトップ営業、新人への一日密着同行を要件定義に落とし込む手順を解説します。

CRMを導入しても現場で使われない最大の原因は、営業担当の1日を分刻みで把握しないまま、項目と機能を決めてしまうことです。

「だいたい把握している」という粒度では、CRMの項目設定にも要件定義にも足りません。必要なのは、1日のどのタイミングで営業活動・報告・情報更新をしているか、それが何件で、1件あたり何分かかっているかという粒度です。

その粒度の情報を得る方法として確実なのは、営業担当への一日密着同行です。 訪問件数の多い担当者、トップ営業、新人など立場の異なる複数名に同行すると、ヒアリングやアンケートでは出てこない課題が見えます。

営業担当の1日を「分刻み」で把握できていますか?

CRMの導入担当者に「営業担当が日々どのような活動をしているのか」と尋ねると、ほとんどが「だいたいは把握している」と答えます。しかし、分刻みで動きを説明できる人は多くありません。CRMを導入し、運用方法を検討していくうえで、このようなざっくりとした情報では不十分です。

各営業担当について、精緻に把握しておきたいのは次の3点です。

  1. 1日のうち、どのタイミングで営業活動や報告、情報の更新をしているのか
  2. それが1日に何件ずつ発生しているのか
  3. 1件あたり、どのぐらいの時間がかかっているのか

この実態を踏まえて、CRMで使用する項目の設定や機能の要件定義を行っていきます。逆に言えば、この3点が埋まっていない状態で要件定義に入ると、現場の動きと噛み合わない仕様ができあがります。

ただでさえ、日々の業務や目標達成に追われている営業チームにとって、新しいツールを導入してメンバーに習慣化させるのはハードルが高いものです。CRMの設定や仕様が現場の状況を考慮したものになっていないと、「多額の予算を投下して導入したものの誰にも使われない」という悲惨な結果を招いてしまいます。

導入プロジェクト全体の進め方はCRM導入の流れに整理しています。

ヒアリングやアンケートだけでは、なぜ足りないのですか?

営業担当の実際の動きを把握する方法として、ヒアリングを行ったり、分刻みで行動を記録した日報のようなアンケートを提出させたりすることを考える担当者も多いはずです。

確かに、ヒアリングやアンケート依頼を行うだけでも、営業担当が1日にどういった動きをしているかは、なんとなく見えてきます。しかし、これだけでは、いま営業担当が抱えている課題を明確化し、CRMの設定に生かすには不十分です。

理由は、本人にとって当たり前すぎて申告に上がらない情報があるためです。モバイルの電波状況、移動手段、訪問と訪問の間の時間にどこで何をしているか。こうした「生の現場の情報」は、ヒアリングやアンケートではつかみにくく、実際に横で見ていて初めて分かります。

一日密着同行は、誰に何人お願いすればよいですか?

そこでおすすめしたいのが、営業担当の行動を1日密着同行して把握することです。

まず、営業担当の中でも1日の訪問件数が多い人に丸1日同行をさせてもらい、実際の業務フローやボリュームを確認します。

さらに、この営業同行は複数人に声がけをして行うとよいでしょう。たとえば、営業成績をもっとも上げているチームのエースと、営業活動を始めたばかりの新卒社員など、立場の異なる人を何人かピックアップします。 こうすることで、それぞれの営業担当が課題としていることが見えてきます。1名だけの同行では、その人固有の癖なのか、チーム全体に共通する課題なのかを切り分けられません。

同行で分かったことを、CRMにどう落とし込みますか?

同行によってトップ営業マンが行っている習慣を把握できたら、これをCRMの設定に落とし込みます。反映先の候補は次の3つです。

  • 商談相手へのヒアリング項目
  • 商談前に行っている事前調査
  • 商談後のクライアントへのフォロー

いずれも、他の営業担当にとって参考になる部分があるはずです。CRMでトップ営業マンのメソッドを仕組み化できれば、これが個人の属人的なスキルで終わらず、再現性の高い資産としてチームに残ります。

なお、同行で見えた顧客情報の持ち方の課題は、CRMを触る前にやっておくべきこと②企業内の顧客リストの一元化、活動件数や商談の数え方の課題はCRMを触る前にやっておくべきこと③重要KPIの定義を決めておくで扱っています。

CRM導入後も、現場の把握を続ける必要はありますか?

必要です。行動把握の粒度は、細かければ細かいほどCRMの運用を考えるうえで役立ちます。可能であれば複数人の営業同行を行い、日々の行動の実態と課題をできるかぎり明確につかむようにしましょう。

この業務フロー把握により、CRM導入後、現場での効率的な利用が考慮された「使いやすい」運用設計ができるようになります。

導入後も、営業担当にヒアリングをこまめに行い、可能であれば同行もして、どのようにCRMが利用されているかを把握し、その後の仕様や運用方法の改善が継続的にできれば理想的です。営業現場の把握をしっかりと行い、「現場に使ってもらえる」CRM、さらには営業現場にとって「業務に欠かすことのできない」ツールになることを目指しましょう。

まとめ

CRMで営業活動の生産性を上げたいのであれば、営業担当の現状の行動把握が必要不可欠です。押さえるのは、活動のタイミング・1日あたりの件数・1件あたりの所要時間の3点です。

把握の手段は一日密着同行が確実です。訪問件数の多い担当者を軸に、トップ営業と新人など立場の異なる複数名に同行し、トップ営業の習慣をCRMの項目として仕組み化します。

CRM導入前にやるべきこと全体はCRMの効果を最大化するために。導入前にやるべきことを解説にまとめています。

弊社では、CRM導入前の運用設計や、導入後の運用改善についてもコンサルティングを行っています。営業現場での行動実態の把握や課題発見のノウハウ、ケースに合わせたCRMの活用方法をご提案します。支援内容はCRM導入支援、ご相談はお問い合わせより承ります。

FAQよくあるご質問

Q. CRM導入前に、営業現場の何を把握しておくべきですか?

3点です。1つ目は1日のどのタイミングで営業活動・報告・情報更新をしているか、2つ目はそれが1日に何件ずつ発生しているか、3つ目は1件あたり何分かかっているかです。この3点を分刻みで押さえてから、CRMで使う項目の設定と機能の要件定義に入ります。「だいたい把握している」という粒度のまま要件定義を始めると、現場の動きと合わない仕様ができあがります。

Q. 一日密着同行は、誰に何人お願いすればよいですか?

立場の異なる複数名です。具体的には、1日の訪問件数がもっとも多い担当者、営業成績がもっとも高いトップ営業、営業活動を始めたばかりの新卒社員の3タイプを押さえます。それぞれ丸1日、朝から終業まで通しで同行してください。1名だけだと、その人固有の癖なのかチーム全体の課題なのかを切り分けられません。

Q. ヒアリングやアンケートだけでは、なぜ不十分なのですか?

本人にとって当たり前すぎて申告に上がらない情報があるためです。移動手段、モバイルの電波状況、訪問と訪問の間にどこで何をしているかなどは、分刻みの日報を提出させても書かれません。ヒアリングやアンケートで「1日にどう動いているか」の輪郭はつかめますが、CRMの設定に反映すべき課題を特定するには同行で現場を見る必要があります。

Q. 同行で分かったことは、CRMのどこに反映しますか?

トップ営業の習慣を入力項目やタスクに変換します。反映先の候補は3つで、商談相手へのヒアリング項目、商談前に行っている事前調査、商談後のクライアントへのフォローです。これらをCRM上で仕組み化すると、個人の属人的なスキルで終わらず、再現性の高い資産としてチームに残ります。

Q. CRM導入後も同行やヒアリングを続ける必要はありますか?

あります。導入後もこまめにヒアリングを行い、可能であれば同行もして、CRMが実際にどう使われているかを確認してください。そのうえで仕様や運用方法を継続的に改善します。入力が滞る、自由記述が増える、同じ情報が別の場所にも残っているといった兆候が出たときは、現場の動きと設定がずれているサインです。

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出典・執筆:株式会社トライエッジ/伊能 藍子(CRM 導入・運用支援)。 2024年4月8日公開/2026年8月14日更新。

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