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HOME MEDIA 営業・インサイドセールス 2024年8月15日

BtoBビジネスにおける商談管理の重要性

商談を営業個人に任せると、情報が担当者の頭の中だけに残り、退職や異動で引き継げず、進捗も売上予測も読めなくなります。対策は、商談をステージに分けてチームで一元管理することです。誰が見ても迷わないステージ定義の作り方と、目標設定から営業会議での共有までの5ステップを順に解説します。

商談を営業個人に任せると、3つのことが同時に起きます。情報が担当者の頭の中だけに残る、進捗が把握できない、目標に対する現在地が読めない。

対策は1つで、商談をステージ(工程)に分け、チーム全体で一元管理することです。 どの案件がいまどの段階にあるかが見えれば、止まっている案件も、今月の着地見込みも数字で分かります。

そのために必要なのは高機能なツールではありません。誰が見ても判断が割れないステージの定義と、入力された情報が営業会議で必ず使われる状態。 この2つがあれば、スプレッドシートからでも始められます。

中野三四郎

執筆者

株式会社トライエッジ代表 中野三四郎

人材派遣会社に新卒入社後、一貫してマーケティング部門に従事。営業戦略の立案、SFA/CRMの企画開発・運用、顧客分析などを行う。その後、M&Aコンサルファームやメーカーの営業企画などを経て、株式会社トライエッジを設立。【著書】「営業は仕組みで9割決まる」

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商談管理とは何をすることですか?

商談管理とは、リード育成によって興味を持った顧客に対し、自社商品・サービスの提案を行い、各顧客の商談の状況確認や未来予測を行うことを指します。

商談は各営業担当ごとに同時多発的に発生するため、進捗の度合いはそれぞれ異なるのが普通です。その状態で、顧客ごとの状況確認と売上予測を行うことが求められます。

そのために商談は、各工程・プロセスに分けて管理します。この工程管理こそが商談管理の中身です。

なぜ個人任せにしてはいけないのですか?

私がこれまで支援してきた企業では、商談管理を営業個人任せにしているケースがよくありました。しかし、商談は個人任せにしてはいけません。理由は3つあります。

1. 情報が共有されない

個人任せにすると、商談情報が担当者の頭の中だけに留まり、他のメンバーと共有されません。

仮に商談がいったん失注となり、数年後に再度商談が発生した場合、前回担当した営業がそのまま受け持てればいいですが、退職や異動でチームにいなければ、その情報自体を受け取れません。

前任者から情報を引き継いでいない状態で顧客の前に立つことを想像してみてください。顧客からの信頼を得られるでしょうか。

2. 進捗が把握できない

商談管理を担当者任せにすると、進捗状況が把握しづらくなります。

営業も人ですから、うまくいきそうな商談ばかりに注力し、そうでない商談がおざなりになるケースはよくあります。チームで管理していれば、こうしたヌケモレがなくなります。

3. 精神論になる

営業には目標があります。その目標に対してどの程度の進捗なのかが分からないと、「もっと頑張れ」といった精神論になりかねません。

商談管理をすると、

「目標◯万円に対して現状◯万円まで確定していて、商談中の案件が◯万円分ある」

といったように具体的な数値で状況が分かり、課題も明確になります。

商談のステージはどう分けますか?

商談情報は一元管理してこそ、売上の拡大が見込めます。特に重要なのは、そのプロセス、別名「ステージの管理」です。

一般的な商談ステージの流れは、次のようなステップで管理されることが多いです。

  • アポイント設定
  • プレゼン
  • 見積もり提出
  • 口頭承諾
  • 契約

この流れを体系的に管理することで、商談のヌケモレを防ぎ、売上の予測も立てやすくなります。

ここで重要なのは、各ステージの定義を明確にすることです。 営業ごとにプレゼンの定義が異なれば、正確な状況は分かりません。

誰が見ても間違えないような定義、たとえばプレゼンを定義するならば**「30分以上のミーティングを行い、自社資料を使って説明した」**のような、判断が割れない書き方にしましょう。

商談管理表には何を入れますか?

商談管理には、商談の状況を一覧化した商談管理表を活用することが有効です。企業名、成約予想金額、ステージ、受注予想日などの情報を入力します。

これにより、チーム全体で商談の状況を把握・共有でき、各ステージの進捗を明確にして、適切な対応を迅速に行えるようになります。作成の手順は以下のとおりです。

  1. 基本情報:企業名、担当者名、連絡先などを入力します
  2. 商談の詳細:商談の内容や提案内容、顧客のニーズなどを詳細に記載します
  3. ステージの設定:進捗をアポイント設定、プレゼン、見積もり提出、口頭承諾、契約の各ステージに分けて管理します
  4. 成約予想金額:商談が成約した場合の予想金額を入力します
  5. 受注予想日:商談が成約する見込みの日付を入力します

このように商談管理表を活用することで、進捗状況を一目で把握でき、チーム全体での情報共有がスムーズになります。

CRM / SFAはいつ入れますか?

営業担当者が5名以上になった場合、商談の管理はCRM(顧客関係管理)やSFA(営業支援システム)を活用するのがおすすめです。

これらのツールを使うことで、商談情報を効率的に管理し、分析できます。さらに、進捗状況をリアルタイムで把握でき、チーム全体での情報共有がスムーズになります。

SFAを活用すると何ができる?機能とデータ管理の実践ポイント

SFAで実際に使う機能と、データ管理で決めておく項目はSFAを活用すると何ができる?機能とデータ管理の実践ポイントにまとめています。

立ち上げの5ステップ

商談管理を効果的に行うためには、きちんとした流れで進めることが重要です。以下に、実践するためのステップを紹介します。

ステップ1. 目標設定

まず、商談の目標を設定します。これは成約件数や成約金額などの具体的な目標です。

目標の立て方は会社によってまちまちですが、大まかに言うと次の2軸で考えることが多いと思います。

  1. 会社としての目標
  2. 過去の推移や傾向から考えた目標

まず会社や部門としての目標があり、上層部としてはこれを営業部門にやってほしいと考えるでしょう。一方で、現状の実力値での妥当な目標を立てたいのが営業現場です。この2つを見ながら、営業現場にとって「ちょっと頑張れば届きそうな数字」に落ち着けるのが目標設定のコツと言えます。

ステップ2. 定義とルールの明確化

各ステージの定義を明確にします。定義が営業ごとにバラバラだと、管理ができません。

また、商談を入力するタイミングや入力する情報は、事前にルールを明確にしておきましょう。「商談を行ったら翌営業日までに更新する」というようなルールはとても重要です。

このステップは、できるだけシンプルに、そして可能ならばステージを5つ以内に抑えるのがポイントです。細かくすると定義の把握が面倒になりますし、細かくしすぎると分析の意味がなくなる場合もあります。

  • アポイント設定
  • プレゼン
  • 見積もり提出
  • 口頭承諾
  • 契約

くらいの流れがおすすめです。

ステップ3. フォーマットの準備

商談情報を入力する場所やフォーマットを決めます。SFAなどのITツールを使うのか、エクセルやスプレッドシートを使うのかは営業組織によって異なりますが、フォーマットは統一することが重要です。 営業ごとに管理する項目が違うと、正しい結果を集計できません。

最初に取り組むときにおすすめなのは、Googleのスプレッドシートです。営業ごとにシートを分けて、次の項目を入力していきましょう。

  • 案件名
  • 想定金額
  • ステージ
  • 受注予定日

ステップ4. 入力とチェック

もっとも大変なのが、この情報入力です。

営業にとって商談情報の入力は、まず手間が増えます。提案活動などの本質的な営業時間ではないため、後回しになりがちです。また、情報を入力することは自身が持つ案件をチーム全体に共有することでもあり、進捗について指摘されるのではないかという懸念を持たれるかもしれません。

これを円滑に進めるには、次の施策が有効です。

  • 情報が正しく入力されているか、第三者(マーケティングチームなど)がチェックする
  • 入力の締め切りを設け、必ず全員が入力を完了させるようにする

ステップ5. 営業会議での情報共有

最後に行うのが、営業会議での情報共有です。商談情報が正しく集約されたら、その情報を活用しなければなりません。

営業会議において、各営業の商談件数、それぞれの進捗状況などを集約し、チーム全体としてどの程度の売上を見込めるのか、営業パイプライン上にはどのくらいの商談があるのかを確認していきます。

この情報共有がなされないと、営業はステップ4の入力だけをすることになり、単に手間が増えるだけになって、やがて運用自体が風化します。

ですので、入力された情報が何らかの形で共有され、営業の意思決定に寄与させることが重要なのです。

よくある失敗

1. ステージを細かく作りすぎる

10段階に分けると、どの案件がどこに入るのか判断に迷い、入力が止まります。5つ以内に抑えてください。

2. ステージの定義を書かずに運用を始める

「プレゼン済み」の解釈が人によって違うと、集計した数字が実態と合いません。判断が割れない文章で定義してください。

3. 入力項目を最初から増やす

分析に使うかもしれない項目を並べると、入力が重くなります。案件名・想定金額・ステージ・受注予定日から始めてください。

4. 入力した情報を会議で使わない

見られない情報は、入力されなくなります。営業会議でその画面を開くところまでをセットにしてください。

5. ツール導入をゴールにする

CRMやSFAを入れても、定義とルールがなければ空欄が並ぶだけです。ステージ定義と入力ルールを先に決めてから、ツールに載せてください。

まとめ

BtoBビジネスにおける商談管理は、顧客との関係を深め、商談の成功率を高めるために非常に重要です。個人任せにせず情報を一元管理することで、ヌケモレを防ぎ、売上の予測を立てられるようになります。

進め方は5ステップです。目標設定、ステージの定義と入力ルールの明確化、フォーマットの準備、入力とチェック、営業会議での共有。最後の共有まで到達させることが、運用を続けるための条件になります。

商談管理表やSFAを活用し、効率的な商談管理を実現して企業の成長を加速させましょう。

定着させるための運用ルールとサンプルは商談管理を仕組み化して営業効率を高めるための3つのステップ、SFAとCRMの違いはCRMとSFAの違い、導入の進め方はCRM導入の流れで扱っています。数字の見方は営業企画における分析力、KPIの置き方は法人営業のKPI設定をご覧ください。

商談管理について課題を感じている方は、お問い合わせよりご相談ください。当社の支援内容はCRM導入・運用支援にまとめています。

中野三四郎

執筆者

株式会社トライエッジ代表 中野三四郎

人材派遣会社に新卒入社後、一貫してマーケティング部門に従事。営業戦略の立案、SFA/CRMの企画開発・運用、顧客分析などを行う。その後、M&Aコンサルファームやメーカーの営業企画などを経て、株式会社トライエッジを設立。【著書】「営業は仕組みで9割決まる」

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FAQよくあるご質問

Q. 商談管理を営業個人に任せると、何が起きますか?

3つ起きます。情報が担当者の頭の中に留まり共有されない、商談の進捗が把握できない、目標に対する現在地が読めず精神論になる。特に問題になるのは失注案件で、数年後に再商談が発生したとき、前任者が退職や異動でいなければ経緯が誰にも分かりません。

Q. 商談のステージはどう分けますか?

アポイント設定・プレゼン・見積もり提出・口頭承諾・契約の5段階が基本です。ステージは5つ以内に抑えてください。細かくすると定義の把握が面倒になり、分析としても意味が薄くなります。

Q. ステージの定義はどこまで具体的に書きますか?

誰が読んでも判断が割れない粒度まで書きます。たとえばプレゼンなら「30分以上のミーティングを行い、自社資料を使って説明した」といった形です。営業担当者ごとに定義が違うと、集計した数字が実態と合わなくなります。

Q. 何から始めればよいですか?

5ステップです。1. 目標設定、2. ステージの定義と入力ルールの明確化、3. 入力フォーマットの準備、4. 入力とチェック、5. 営業会議での情報共有。最後の共有まで到達しないと、入力だけが残って運用が止まります。

Q. 商談管理表とCRM/SFAは、どちらから始めるべきですか?

少人数のうちはスプレッドシートで始められます。営業担当者が5名以上になったら、CRMやSFAへの移行を検討してください。案件名・想定金額・ステージ・受注予定日といった最低限の項目は、どちらで始めても同じです。

出典・執筆:株式会社トライエッジ/伊能 藍子(CRM 導入・運用支援)。 2024年8月15日公開/2026年8月15日更新。

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