メルマガを効果的にするABテストの一覧を公開!実践例とよくある失敗例
メルマガのABテストで動かせるのは、開封とクリックの2つだけです。読者がメールに対してとる行動が、この2つしかないためです。開封に効く施策とクリックに効く施策を仮説つきで一覧化し、開封率が平均20.3%から13.5%へ落ちた例で改善の考え方を示します。配信数や期間など失敗の条件も整理します。
メルマガのABテストで動かせるのは、開封とクリックの2つだけです。 読者がメールに対してとる行動が、開くかどうかと、そこからコンテンツを見に行くかどうかの2つしかないからです。
だからテストの設計も単純になります。開封を上げたいなら差出人・件名・配信タイミング。クリックを上げたいなら本文の構成とCTAまわり。 改善したい数字を先に決めれば、触るべき項目は自動的に絞られます。
そして原則が1つあります。1回のテストで変えるのは1項目だけです。 複数を同時に変えると、勝った理由が分からず、次に活かせません。
なぜABテストが必要なのですか?
メルマガの目的は、読者に有用な情報を提供し、商品やサービスを知ってもらい、興味を持ってもらい、最終的に購入してもらうことにあります。しかし、読者がどんなことに興味を持つかはそれぞれ異なるため、同じ内容を送り続けても効果が落ちていきます。
ABテストを行うと、2つの異なるバージョンのメールを同時に送信して、読者の反応を比較できます。 それによって、より効果的なメールの作り方が分かります。試せる要素は、件名、本文、配信日時、画像の有無などです。
改善できるのは開封とクリックだけです
件名を変える、本文を変える、配信日時を変えるなど、テストできることは多くありますが、それによって改善できるのは、
-
開封
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クリック
の2つだけです。読者がすることは、メールを開くかどうか、読んだメールからコンテンツを見に行くかどうか、この2つしかありません。このいずれかを改善するために、どこを変えるのかを決める。それがABテストの設計です。
ここを取り違えると、テストそのものが成立しません。 開封率を上げたいのにCTAの色を変えても、開封率はほぼ動きません。
仮説を持って実施する
実施のときに重要なのが、何を改善したいのか、そしてそれをどうすれば改善できそうか、という仮説を持つことです。
まずベースになる数値があったうえで、どこの数値を改善したいのかを事前に決めてから取り組む必要があります。 仮説を持つことで、その仮説が合っていたのかを検証でき、それを繰り返して数値を改善していけます。
「なんとなく件名を2つ作る」では、勝った理由が分からず次につながりません。 なぜこちらのほうが開かれるはずなのか、を言葉にしてから配信してください。
1度に複数の要素を変えない
さまざまな要素を変更してテストできますが、1度のABテストで複数の要素を変更しない、というのが鉄則です。
複数を変更したテストで結果に変化が出た場合、何が要因だったのかが分からなくなるためです。例えば、開封率の改善を狙って件名のテストと配信時間のテストを同時にしたとします。開封率が20%から30%に上がったとしても、件名が効いたのか、配信時間が効いたのか、両方だったのかが判別できません。
したがって、ABテストを実施する際は1度に1つの要素で行ってください。
メルマガABテストの一覧
代表的なABテストの施策は以下のとおりです。もちろん、これ以外にもできることはあります。
| 施策名 | 目的 | 仮説例 |
|---|---|---|
| 配信タイミング | 開封率向上 | 朝のメールよりも昼休み明けのメールの方が開封されるのではないか? |
| 差出人変更 | 開封率向上 | 部署名で送るよりも個人名で送るほうが開封率が高まるのではないか? |
| メール件名に相手の名前を入れる | 開封率向上 | パーソナライズされたメール件名の方が注目を集め、開封率向上につながるのではないか? |
| メールの件名の最初に「無料ウェビナー」と入れる | 開封率向上 | 無料・ウェビナーなど相手にとっての便益がわかりやすい用語を最初に入れることで開封率向上につながるのではないか? |
| メールのファーストビュー内にCTAを入れる | クリック率 | メールを開封後スクロールせずにアクションできる箇所を入れたほうがクリック率が高まるのではないか? |
| CTAの色を変える | クリック率 | 青色 vs 赤色 視認性の向上と反応率の変化がどうなるか? |
| CTAの文言を変える | クリック率 | 行動を促す文言へ変更することでクリック率があがるのではないか? |
| CTAの横幅を変える | クリック率 | メールの横幅いっぱいにCTAを設置するとクリックしやすくなりクリック率向上が見込まれるのではないか? |
| CTAの横の位置を変える | クリック率 | メールの左寄せ、中央寄せ、右寄せでクリック率に変化があるか? |
| HTMLメールからテキストメールに変える | クリック率 | メルマガっぽさがなくなり、よりアクションにつながるのではないか? |
目的の列を見れば、どちらの数字を動かす施策なのかが分かります。 改善したい数字と目的が一致していない施策を選ばないでください。
実践例:どこを直すか決める
具体的な数値を見ながら、どのように改善を考えていくかを見ていきます。
前提条件として、以下のような数値を考えてみます。
【A社のメルマガの平均値】
| 配信先件数 | 9,000件 |
|---|---|
| 開封数 | 1,827件 |
| クリック数 | 135件 |
| 開封率 | 20.3% |
| クリック率 | 1.5% |
【A社の直近のメルマガの数値】
| 配信先件数 | 8,000件 |
|---|---|
| 開封数 | 1,080件 |
| クリック数 | 112件 |
| 開封率 | 13.5% |
| クリック率 | 1.4% |
この2つを見比べたとき、どこに改善の余地がありそうでしょうか。平均値から最も離れているのは開封率です。 クリック率は1.5%から1.4%とほぼ変わっていません。したがって、開封率を改善する施策を考えます。
次回どんなメルマガを送るかによっても内容は変わりますが、この場合であれば、
-
配信時間(配信曜日)を変更する
-
メールの件名を変更する
-
メールの送信元を変更する
あたりが施策の候補になります。
そのうえで、なぜ開封率が平均値より下がったのかという仮説を立ててから、どの対策を打つかを決めます。 直近の配信が連休前だったのか、件名の傾向が変わったのか、配信先の構成が変わったのか。ここを飛ばして施策を選ぶと、当たっても理由が分かりません。
よくある失敗
メルマガの配信数が少ない
配信数が少ないと、統計的な有意性を得られません。「たまたまそうなった」可能性を排除できないためです。この場合、そもそもの配信先を増やすところから始める必要があります。
配信数はさまざまな条件を加味して考える必要がありますが、概ね1,000件以上あれば、ある程度信頼性の高いデータが得られると考えられます。 ABテストではA・Bそれぞれ1,000件なので、配信先は少なくとも2,000件は必要ということになります。
ABテストのテスト項目が間違っている
どこの数値を改善したいから、どんなテストをするのかが重要です。例えば、開封率を改善したいのにCTAのボタンの色を変更するABテストは、開封率にはほぼ影響がありません。 もしそれによって結果が違っていたとしても、それは別の要因による結果です。
ABテストの期間が短すぎる
自社のそれまでの結果から、どのくらいの期間で結果が出るのかを把握しておく必要があります。期間が短すぎると十分なデータを得られず、それが意図しない結果として数値に表れます。
BtoB向けのメルマガであれば、結果がある程度出るまでの期間はおよそ3営業日あれば十分と考えられますが、配信後に土日を挟んでいないか、連休を挟んでいないかは事前に確認しておく必要があります。
ABテストのグループ間の違いが大きすぎる
グループの間に大きな違いがある場合、正確な結果を得るのが難しくなります。例えば、Aは大企業の人たちで構成された配信先、Bは中小企業の人たちで構成された配信先、という分け方では反応率が大きく変わり、テストとしての信頼性が薄れます。
また、Aの配信先は10,000件、Bの配信先は500件のように件数が大きく違う場合も、結果に差が生まれます。ABテストのグループはランダムに分けることが重要です。
まとめ
メルマガのABテストで動かせるのは開封とクリックの2つだけです。改善したい数字を先に決め、それに対応する施策を選んでください。開封なら差出人・件名・配信タイミング、クリックなら本文の構成とCTAまわりです。
設計の原則は3つあります。仮説を言葉にしてから配信すること、1回に変える項目は1つにすること、A・Bそれぞれ1,000件以上を確保することです。期間は営業日で3日を目安に、連休を挟まないよう設定します。
メール配信そのものの組み立て方はメールマガジンの基本、HubSpotでのABテストの操作はHubSpotのマーケティングメールでABテストを行う方法、展示会後に送るメールの文面は展示会後のステップメールで扱っています。配信を育成につなげる設計はリードナーチャリングとは、反応の点数化はスコアリングの設計をご覧ください。
当社はHubSpotやZohoを用いたMA / CRMの導入・運用支援を行っています。支援内容はCRM導入・運用支援、ご相談はお問い合わせより承ります。
FAQよくあるご質問
Q. メルマガのABテストで改善できるのは何ですか?
開封とクリックの2つだけです。読者がメールに対してとる行動が、開くかどうかと、そこからコンテンツを見に行くかどうかの2つしかないためです。売上をテストの指標に置くと、メール以外の要因が混ざって判断できなくなります。
Q. どんな項目をテストできますか?
開封に効くのは配信タイミング、差出人、件名です。クリックに効くのは本文のファーストビュー、CTAの色・文言・横幅・位置、HTMLメールかテキストメールか、といった要素です。改善したい数字がどちらかを決めてから、対応する側の項目を選んでください。
Q. 一度に複数の項目を変えてもよいですか?
変えないでください。件名と配信時間を同時に変えて開封率が20%から30%に上がっても、どちらが効いたのか、あるいは両方なのかが分かりません。1回のテストで変えるのは1項目だけにするのが原則です。
Q. 配信数はどれくらい必要ですか?
目安として、A・Bそれぞれ1,000件以上です。合計で少なくとも2,000件は必要になります。これを下回ると、差が出てもたまたまそうなった可能性を排除できず、統計的な有意性を確保できません。
Q. テストの期間はどれくらい取りますか?
BtoB向けのメルマガであれば、おおむね3営業日あれば結果は見えてきます。ただし配信後に土日や連休を挟んでいないかは事前に確認してください。営業日をまたがない設定にすると、開封が伸びきる前に集計してしまいます。
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出典・執筆:株式会社トライエッジ/中野 三四郎(代表取締役CEO)。 2024年4月8日公開/2026年8月15日更新。